介護職員が行うべきサポート

高齢者がかかりやすい疾病には、誤嚥性肺炎や認知症など様々な種類があります。
介護職員は、高齢者がこうした病気に罹患しないよう細心の注意を払わなければなりません。
高齢者が特に陥りやすいものとして、生活不活発病が挙げられます。

生活不活発病は、生活様式の変化によって身体活動が鈍くなり、心身に不調をきたす疾病です。
その症状は様々で、心肺や消化器の機能が低下したり、食欲不振や便秘になったりするほか、筋肉や皮膚が萎縮したりします。
精神面への影響も大きく、鬱や知的障害に陥るケースも見られます。

高齢者が自宅を離れて介護施設に入居した場合、介護職員が食事から排泄に至るまであらゆる場面で介護ケアを施してくれるので、高齢者は身体を動かす機会が減ってしまいがちです。
もちろん、機能回復訓練の場を設けている施設も多いのですが、生活全般で身体活動の量が減ると、どうしても生活不活発病にかかるリスクが高まってしまいます。
そこで、介護職員は、高齢者が生活不活発病に罹患しないよう、自分でできることは可能な限り自力で取り組むよう促さなければなりません。

もし、手すりを使って歩ける高齢者であれば、立ち上がる時だけ転倒しないように支えて、その後は傍で見守りながら自力で歩くよう促すといった習慣を定着させると、身体活動が鈍る傾向をある程度止められるでしょう。
その際には、介護職員がサボっていると誤解されないため、自力で生活する場を広げる方針の趣旨を、高齢者とその家族に十分説明しておくことが大切です。