生活不活発病の心身への影響

感染症予防の観点から、外出などを自粛する生活を送ってきた方も多いでしょう。
確かに感染症にかかるリスクは減らせますが、単に自粛をしているだけになると問題も生じてきます。
生活不活発病と呼ばれるものがあり、自粛生活により運動の機会が減ることで心身に影響が出てくることがあるのです。

多くの世代に起きうる問題ではありますが、特に気を付けたいのが普段からの運動が少ない高齢者です。
自粛していない状態であれば、何気ない外出や散歩などで体を動かすことがあっても、家から一歩も出なければ歩いて体を動かすことすらできなくなります。
あえて運動をすることが難しい年齢であれば、まったく運動ができない状態で身体機能が落ちることもあるでしょう。
心肺機能が落ちたり、筋肉が減り、委縮してその後の生活に影響を及ぼすこともあります。
そのほかには生活習慣病や自律神経の乱れにつながることがあり、さらには生活不活発病が介護のきっかけとなってしまう可能性もあるため、十分注意しなければなりません。

身体だけではなく、心や知能の面での影響も心配です。
人と話したり食事をしたりする機会が減りますから、外部からの刺激が少なくなります。
高齢の方であれば認知症の症状が進んでしまったり、うつの傾向が出てきたりすることもあるのです。
家族や周囲にいる人が積極的にかかわったり、見守りをしたりできる体制を作ることも大切です。
直接会えなくても連絡を取り合ってみるなど工夫をしていきましょう。
機能低下を防ぐために自粛中でも自宅や人の少ない場所でできる運動などをすすめていくことも大切です。